Jan van Eyck, The Three Marys at the Tomb, c. 1430-1435. Panel, 71.5 x 90 cm. Rotterdam, Museum Boijmans Van Beuningen. |
オランダのロッテルダムにあるボイマンス・ファン・ベーニンヘン美術館で、15世紀のネーデルラント絵画を中心とした展覧会『ファン・アイクへの道』が開催されている。ここでは、油彩画を確立したヤン・ファン・アイクと同時代の画家たちの作品90点以上が一覧できる。これほどの作品が一堂に介したことはなく、また、脆弱な作品が多いために、今後は同様の展覧会が開催されることはないだろう。
ヤン・ファン・アイクが活躍していた当時、貿易中心地であるパリやアムステルダム、ケルンなどでは商取引だけでなく、芸術作品も国境を越えて伝播し、同時に芸術家たちもヨーロッパを舞台に活躍していた。そのような中、ヤンは多くの画家や作品から学びながら自らの腕を磨き、卓越した表現力を手にした。彼の描いた作品は高い評価を獲得し、多くの画家たちに影響を与えることとなった。
ヤン・ファン・アイクが活躍していた当時、貿易中心地であるパリやアムステルダム、ケルンなどでは商取引だけでなく、芸術作品も国境を越えて伝播し、同時に芸術家たちもヨーロッパを舞台に活躍していた。そのような中、ヤンは多くの画家や作品から学びながら自らの腕を磨き、卓越した表現力を手にした。彼の描いた作品は高い評価を獲得し、多くの画家たちに影響を与えることとなった。
Jan van Eyck, The Annunciation, c. 1430-1435. Oak, transferred on to canvas in St Petersburg after 1864, 92.7 x 36.7 cm. Washington DC, National Gallery of Art, Andrew W. Mellon Collection |
ボイマンス・ファン・ベーニンヘン美術館が所蔵する《石棺の傍らの3人のマリア》は、長い間、ヤン・ファン・アイクの兄フーベルトの作品と考えられてきたが、ヤンの作品だとする主張もあり、いまだ研究者の間で意見が分かれている。フーベルトは、ヤンと共にベルギーのゲントにある聖バーフ大聖堂の傑作《ゲントの祭壇画》の中央パネル《神秘の仔羊》を手がけた。1823年の祭壇画の修復により発見された額縁の銘文には、フーベルトは「古今並ぶことなき画家」として称讃され、ヤンは「これに次ぐ画家」と記されている。しかし、現在、フーベルトに関する確実な作品や記録は何ひとつ存在しない。《石棺の傍らの3人のマリア》は謎の画家フーベルトを知るために残された重要な手がかりのひとつである。
《石棺の傍らの3人のマリア》は展覧会に合わせて修復され、あざやかな色彩と繊細な表現がより明らかになった。その過程はホームページで公開されている。また、《ゲントの祭壇画》も2012年10月2日から修復作業が始まった。修復は5年に及ぶものだが、19枚あるパネルのうち数枚ずつ修復されるので、修復中のパネル以外はこれまで通り聖バーフ大聖堂で見ることができる。
「ファン・アイクへの道」展は、2013年2月10日まで開催。(月曜、12月25日、1月1日休館)
http://www.boijmans.nl/en/7/calendar-exhibitions/calendaritem/883/the-road-to-van-eyck
ボイマンス・ファン・ベーニンヘン美術館 Museum Boijmans Van Beuningen
Museumpark 18-20
3015 CX Rotterdam
the Netherlands
http://www.boijmans.nl
3015 CX Rotterdam
the Netherlands
http://www.boijmans.nl
開館時間:
火ー日 11:00-17:00 休館日 毎週月曜及び元旦、4月30日、12月25日